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2009-09-16(Wed)

家なき人と家ある猫 その2

われわれがペットを必要とする理由のひとつは、ひょっとしたら、彼らが飼い主を差別しないからではないかと思うときがあります。

遊歩道のホームレス氏に餌をもらっている猫たちも、自分はよその飼い猫より不遇だとか、まったくのノラよりはマシな生活をしているとか、飼い主は社会的に抑圧されているとか、そういう無意味なことは考えないにちがいありません。

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これはある意味で理想的なパートナーといえるでしょう。これほど人間のどうでもよい属性に目を曇らされない存在はほかに考えられません。彼らが感じるのは、相手が自分に対して、いま、よくしてくれるかどうか、それだけです。15分後のことすら気にしていないのです。

とまあ、そのように、あの猫を飼うホームレス氏は、わたしにとっては気になる存在であり、あれこれとものごと、とくに猫と人の関係を考える契機になってくれました。ホームセンターで買ったキャットフードをもって彼の前を通り過ぎるのは、いつまでたっても居心地悪いままでしたが、彼があそこにいて、ものを拾い集めて稼いだわずかな金のほとんどを猫に与えていること自体には、心休まるものを感じていました。

ところが、夾竹桃が満開になったころ、またキャットフードを買おうと彼の「家」の前を通りかかったら、こんなことになっていました。

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まあ、しかたのないところでしょう。公共の道路の不法占拠といわれれば、反論の余地がありません。そもそも、ただのホームレスなら、わたしはこの撤去にほとんどなにも感じなかったでしょう。彼が餌を与えていた猫たちは、生き延びられるだろうか、と思っただけなのです。

これで家なき人とその人に家をもらった猫たちのことは終わりかと思っていましたが、人が、そして猫が生きたあとというのは簡単には消えるものではないのでしょう、ささやかなつづきがありました。

撤去作業の数日後、また「彼の家」のまえにさしかかりました。きれいさっぱり、跡形もなくなっているものと思いこんでいたのですが、あにはからんや、こうなっていました。

close down 2

ということは、「撤去」ではなく、なんというか、「差し押さえ」みたいな処置だったことになります。

なんだかわけがわかりませんが、たとえば財産権の侵害といった、思わぬ法律的トラブルに巻き込まれないように、行政がもっとも安全な方策をとった、といったあたりなのだと想像しています。

トラブルを迂回する役所のやり方はそれなりにわかりますが、でも、なんだか腑に落ちません。彼と猫たちがここを占拠していたときと、役所の「差し押さえ物件」がほぼ同面積を占拠している状態のあいだに、どのような実質的相違があるのでしょうか?

close down 3
囲いの中をのぞき込むと、こうなっていた。家賃を払わずにいなくなった間借り人の家財道具一式を押し入れに放り込んだ、といった塩梅。

臭いものには蓋という論理で、目障りなものには目隠し、ということなら、愚劣というしかありません。どうせ土地を占拠されるなら、人間(と猫)に占拠されるほうが、よほど筋が通っています。たんに人間の「殻」、人間がいなければまったくのゴミにすぎないものに公共の土地を占拠させるなんて、それこそムダでしょう。

しかし、考えるのはやはり猫たちのことです。彼らは、ふと、ここで餌をもらい、ホームレス氏と日向ぼっこをしたことを思いだし、なんとなく足が向く、なんてことはないのでしょうかね。猫の記憶力がお粗末なことは承知していますが、たまには思いだしてやれよ、と思うのでした。
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テーマ : 猫と一期一会
ジャンル : ペット

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